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つうかあ 第五話 『Reverse Grid』 解説 / 感想

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つうかあ 第五話 『Reverse Grid』


 構成上のポイント

  ・ いずみとなぎさの、他人には理解し難い絆を描く
  ・ 二人が通じ合っていることのバックグラウンドを描く
  ・ 断続的なフラッシュバックで関係性の逆転を劇的に演出する (編集における演出は構成として扱います)


 伏線&前振り  伏線……後になって意図が判明する布石 / 前振り……段階を踏んで繋がりを滑らかにする為の布石

  ・ ゆりとめぐみが通じ合っていることをそれとなく示している



演出など:


<構成:小道具> SMの描写自体を構成上の小道具として扱います。
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今回夢を見ていたのはいずみでした。こちらの夢では強気な感じのなぎさが印象的です。


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いずみ「いずれにせよ私以外の横に乗って楽しそうにしてるなんて許せません
ちゆき「でもいずみさんが提案したんじゃないのかしら?」
いずみ「スワッピングは提案しましたけど、喜べとまでは言っていません」

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なぎさ「いずみさんとは幼馴染なんです。幼稚園から小中高ずっと同じクラスでずっといずみさんの子分だったんです」

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いずみ「あんた私の子に何してんのよ」

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いずみ「なぎさケガは?」
なぎさ「……大丈夫です」
いずみ「ならいい」
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<脚本的演出: 危機 / 愛情 + 真実の発露 > + <構成;前振り>
もしこの時いずみがケンカに負けずに無傷で勝っていたら、ただ腕っ節に自信があるだけの人になってしまいます。
なぎさになった様な気持ちで見ていると、申し訳なさを感じつつも嬉しくなってきますね。
次の第五話で、なぎさが自身の命を危険に晒すほどの信頼(ある種の愛)を見せますが、
このレディース事件がキッカケとなってのことでしょう。

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なぎさ「いずみさんいつも強引で無茶ばっかり言ってますけど、本当は良い人なんです」

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なぎさ「それ以来私はいずみさんの言うことは全部聞くことにしたんです。逆らっちゃいけないんだって」

これは先のレディース事件に象徴される、いずみの言うことを無視して
結果的にいずみに危ない目に遭って欲しくないからですね。
また、いずみが自分を愛していることを強く感じたのでしょう。
ですが、最後にはもっといずみを求めることで、更に深い関係へと踏み出していくことになります。

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二人が通じ合っていることは随所で描かれます。
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むつき「担当も決めずにゆりさんとめぐみさんの好き勝手にしているんです」

    「それなのになぜか重複もチェック漏れも無いんですよね」
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なぎさ「どこか通じ合っているんですかね」
むつき「やっぱりそう思いますか?」


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いずみ「でもウチではこれが正常なのよ」


(回想)
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棚橋コーチ「必ず守れと言った言葉」

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ゆり・めぐみ「はい……パートナーを危険に晒さないこと」

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棚橋コーチ「レーシングニーラーはお互いがパートナーの命を握っている。その事を忘れるな」

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棚橋コーチ「たとえどんなに速くても、命を落としたラップは計測されない。いいな」
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ゆり「パートナーの命を……」

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めぐみ「……握っている」

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ゆり「このコーナーめぐみがミスらない限り、オーバーステアは出ない、ギリギリまでインに入れる!」

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めぐみ「このコーナーゆりがミスらない限り、最大限リアに過重を掛けられる!」

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二人「あんた私の命を握ってるんだからミスるんじゃないわよ!」
<脚本的演出:信頼>


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これは気つけの為に叩いた箇所ですが、夢と現実がクロスする起点となっています。
夢におけるビンタが現実におけるビンタとなり、逆転関係が描かれることになります。非常に巧みな構成/演出ですね。
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バードストライクを回避し、マシンとドライバーを救ったなぎさ。
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いずみ「私も彼女に握られている……?」

単に命を握られているという訳ではなく、内的に主導権を握っているのはなぎさという見方に繋がります。
しかし本当に重要なのは、先のレディース事件に象徴されている様に、いずみがなぎさを大切に想っていることで、
なぎさの存在に自身の在り方が左右されている事にあると個人的には思えます。
(依存という言葉は負の意味が感じられてあまり好きではないので、あえて用いませんでした)

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いずみ「なぎさは……そんなに?!」
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いずみ「アクセルを緩めたらインにぶつかる!」
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なぎさ「私、まだ行ける!」

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なぎさ「いずみさん、もっと、もっと攻めて(責めて)ください」

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なぎさ「足りないッ……まだ!」
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いずみ「今まではどんなに攻めても必ずマージンを見込んでいた」

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(フラッシュバック)
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いずみ「どんなにギリギリでも絶対に大丈夫な自信があった」

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(フラッシュバック終了)

いずみ「でも……無理! これ以上は無理!」
いずみ「なに……? この子求めてる?」

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なぎさ「いずみさんが怖がってる。私のこと想って怖がっている……嬉しい!!」
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外野からはいずみが無理を強いているように見えています。


ここからは夢と現実のカットバックが繰り返されます。
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<脚本的演出 : 危機 + 信頼 + 愛情>
命を危険に晒す程にいずみを求め信頼するなぎさ。なぎさを失うことを恐れ怖がるいずみ。
それを喜ぶなぎさ。その信頼に応えるいずみ。ある意味で究極の信頼関係であり、一つの愛であると言えます。

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<作画的演出>
いずみが左目をハッキリと見せるのはこれが初めて。何らかの演出的意図があるのかも知れません。
左に乗っているなぎさが物理的によく見えるということだけでなく、精神的にもよく見えたということでしょうか。

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ラストカットにこの回想部分が用いられることで、
内的にはなぎさがある意味で主導権を握っていることが示されました。

逆転しているという点が、『アンジュ・ヴィエルジュ』において、
アゲハがマユカと添い寝した際を思い出しました。朝になって目を覚ますと……
まだ視ていない方は是非ご覧になって下さい。




感想:


 外側と内側で単純に主導権が逆転しているというよりは、
 レディース事件の一件とラストのコーナリングが、二人の本質を物語っているように思います。

 いずみがなぎさのことを大切に思っていることは随所で示されていました。

 なぎさがメットをコーナーに擦った後、それを知って心配。
 スワッピングの際に、ペアの大切さを知るのにいいと思ったとめぐみに語った時。
 なぎさがゆりとそれなりに上手く行っているのを見て嫉妬。レディース事件など。

 なぎさはいずみの見込んだコーナリングのマージンを消す程に攻めていきました。
 その際に、なぎさはいずみが自分のことを想ってくれていることを強く感じて、歓喜に打ち震えていました。

 いずみを信じていなければ、自分の命を危険に晒したなぎさはサイコだと言えますが、
 いずみを信じていれば、なぎさの行為は愛の証なのだと私には思えました。
 そしてその想いに応えることがいずみにとっての愛なのだと思います。





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作品解説
第一話 『Exhibition』 解説 / 感想
第二話 『Shakedown』 解説 / 感想
第三話 『Practise』 解説 / 感想
第四話 『Swap Meat』 解説 / 感想
第六話 『Dual Purpose』 解説 / 感想
第七話 『Side by Side』 解説 / 感想
第八話 『Engage』 解説 / 感想
第九話 『Mad Saturday』 解説 / 感想
第十話 『Replay Log Data』 解説 / 感想
第十一話 『Blue Flag』 解説 / 感想
第十二話 『Ladies, Start Your Engines!』 解説 / 感想





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