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つうかあ 第四話 『Swap Meat』 解説 / 感想

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つうかあ 第四話 『Swap Meat』


 構成上のポイント

  ・ ちゆき&みさきペアの後日談を多少見せる
  ・ いずみ&なぎさペアに焦点を当てる
  ・ 関係性における違いを、主従関係という変化球で描く
  ・ 逆転SMの意味するものは何だろう?と視聴者に疑問を抱かせる
  ・ 後半まで、いずみがなぎさを想っていないようにミスリードを誘う
  ・ ペアの関係は人それぞれだと示す
  ・ 引き続き過不足無い解説 (設定とニーラーについて)


 伏線&前振り  伏線……後になって意図が判明する布石 / 前振り……段階を踏んで繋がりを滑らかにする為の布石

  ・ 冒頭に逆転SMを持ってくることで、関係性を理解する為の鍵として視聴者に与えている
  ・ いずみがなぎさを理解し大切に思っていることがそれとなく描かれている
  ・ ゆりとめぐみの最終話での和解に向けて、歩み寄っている感じの描写がある
  ・ “師弟関係、友人、親子、兄弟、夫婦、恋人。ペアの関係はさまざまだ”
“お前達はお前達の関係を築け”
  ・ “一番ぶつかる相手が自分の隣に乗ってるパートナー、それも大切だからぶつかる!”
“これからもぶつかりましょう?”
  ※ 逆説的ですが、本作ではこの台詞によってもぶつかることは大切さの証明であると示されます。
    それ故、最終話以降もぶつかっていくことで、ゆりとめぐみの仲が続いていくのだということが示されます



演出など:


この夢は願望を表すのか、それとも二人の関係の本質を表しているのか?
<構成:小道具> SMの描写自体を構成上の小道具として扱います。
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現実のいずみが表面上は尊大に見える為、視聴者はいずみの態度に不快感を抱くと予想されます。
このビンタは、そうした悪感情に対してのフォローにもなると考えての事でしょう。もう一つの意図は後述します。
また『アンジュ・ヴィエルジュ』視聴済みの方に対するサービスでもあります。
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この時点では視聴者にとって、夢を見ているのはまだなぎさだけである為、なぎさの願望のように感じられます。


ちゆきとみさきの後日談的な。
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みさき「(中略)――それが、世界が変わったんだ」


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ちゆき「世界が?」

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みさき「ここには上下関係も無い、いじめも無い」

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みさき「ライバルだって敵じゃない、むしろ仲間だ」
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みさき「そんなの聞いたことない。あるのは遅いか速いか、ただそれだけ。
     こんな世界があるなんて知らなかった!」
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みさき「一番ぶつかる相手が自分の隣に乗ってるパートナー!」
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ちゆき「あっ……」
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みさき「それも大切だからぶつかる!
ちゆき「――これからもぶつかりましょう? 」
みさき「ああ!」
ちゆき「ふふっ……」

これは、最終話以降もゆりとめぐみがぶつかっていくのは互いが大切だから、ということの前振りにもなっています。

<脚本的演出;愛情> + <構成:前振り>


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ゆり「カラメルと一緒に食べるからカスタードがおいしいんでしょ!」

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めぐみ「カスタードと一緒に食べるからカラメルがおいしいの!」

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ケンカしている時でも息がピッタリの二人。クロスカウンターが決まってしまうのも頷けます。


一見すると危険極まりないドライビングですが、いずみの技術は精密であると後に語られます。
また後のスワッピング時においては、なぎさはゆりの安全な操縦に物足りなさを感じています。
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<構成:ミスリード>
精密な操縦となぎさに対する理解によって、安全の為のマージンを見込んでいますが、この時点では視聴者には隠されています。


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いずみ「どうしたの? その傷」
なぎさ「はい、右コーナーでちょっと……」
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いずみ「なにやってるの! ちゃんと避けなさいよ!」 (本心)
     「せっかくのペイントが台無しじゃない」 (カムフラージュ)

<構成:ミスリード>
なぎさがいずみを大切に思っていることは、視聴者にはまだ伏せられています。


タイプは違いますが、『アンジュ・ヴィエルジュ』のアゲハとマユカからの伝統ですね。清涼剤担当です。
後の回ではギャグが多くなってきます。この二人に関しては以降は省略します。物語的にさほど重要ではないからです。
この二人に限ったことではありませんが、本作のギャグはどれもクオリティが高いです。
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これ以降、少しずついずみがなぎさを想っている事が描かれていきます。
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なぎさ「いずみさんが私のことを好きなように使って下さるなら、それで幸せです」
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「それに、あれでもいずみさんって優しいんですよ?」

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「まあそういうこと、あの子はこれで満足しているのよ。だから今のままでいいの」

<構成:溜め>
この時点では、いずみやなぎさの過去を視聴者に伏せておき疑問を抱かせ、真実が明らかになるまでの溜めを作っています。


(回想)
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棚橋コーチ「ハンドルを握っているのはドライバーだ。ドライバーの判断が優先だ」
ゆり「ほーら」

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棚橋コーチ「だからといって、ドライバーが偉いわけではない」

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棚橋コーチ「パッセンジャーがドライバーを育てるペアもある」

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棚橋コーチ「師弟関係、友人、親子、兄弟、夫婦、恋人、ペアの関係はさまざまだ」

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棚橋コーチ「お前達はお前達の関係を築け。それがどんな形でもいい、お互いに命を預けていいペアになれ」

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二人「どんな形でも……」
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ゆり「やっぱり、ペアって普通は仲がいいもんなんだよ、ね」
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めぐみ「そりゃあ、そうでしょ」
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ゆり「うん、そう、だよね」

演技だけでも伝わってきますが、第九話での和解一歩手前までの描写と併せて考えると、
言外に自分達ペアの関係が良いものなのか確かめ合っているということが理解されます。
<構成:前振り>

二人が和解しようとするのは、いつもゆりからです。第四話、第九話、最終話。
その一方で、最終話ではまた別の部分も見せています。
気を遣うめぐみが本当に大丈夫なのか、負傷したその足を軽く蹴ってみたり。
それで大丈夫じゃないと分かったら、泣きそうな感じで自分から抱きついています。
そして、ケンカした時は自分から大嫌いだと言いながら、同じように返されると泣いちゃったりもします。
最後ではさよならを言うつもりだったのに、抜け駆けしてコーチにアピールし始めたりしています。
ゆりがドライバーを務めているのも頷けますね。もちろん、ドライバーがそういう人間ばかりではありませんが。

めぐみは基本ゆりに合わせていますが、最終話で一緒に走るのが好きだと言う際は、自分から先に口にしています。
“それは……好きだから” “あたしも……走るの好きだから”
“ゆりと走るの、好きだから” “めぐみと走るの、好きだから”
これが告白のようにも感じられます。第三話ラストでのちゆきのセリフも同様に、
「あなたが、初めてなの」という言葉もそういった意味に感じられます。


<構成:小道具> SMの描写自体を構成上の小道具として扱います。
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いずみ「何?何か不満でもあるの?」

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なぎさ「不満なんてそんな!」

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いずみ「私が分からないとでも思ってるの?
     私はね、あなたのことは何でも分かるの、だから隠し事をしても無駄」

単に主導権を握りたがっているというより、なぎさの様子が気がかりだったのでしょう。
この辺りから、いずみがなぎさを大切に思っていることが明らかになっていきます。


<脚本的演出: 真実の発露 + 愛情 >
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めぐみ「でも急にどうして?」
いずみ「お互いパートナーの大切さを知るのに丁度良いと思って」

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めぐみ「流石いずみさん、荒っぽく見えても凄く正確だ」
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めぐみ「ギリギリを攻めているようでも必ず安全のマージンを見込んである」
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<脚本的演出:真実の発露>
この場面によって先のドライビング時に、いずみがなぎさの命を決して軽く扱ったわけではない事が示されます。


めぐみ「でもいきなり全開は無茶かも」
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いずみ「ええ、もう少しお互いのことが分かってからじゃないとね」
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いずみ「やっぱりいつもの相手じゃないと簡単には……」
<脚本的演出:愛情>
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次の第五話を視聴した後に、なぎさ視点で改めてこの場面を見ると、
なぎさ「いずみさんが私のことで嫉妬してくれてる……嬉しい!!」という声が聞こえてくるようです。


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なぎさ「ゆりさんすごく優しい、私をリードしてくれてる」
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なぎさ「安心して乗っていられる……だけど……」 
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<脚本的演出:危機>




感想:


 いずみがなぎさのことを実はちゃんと想っているというのが、随所に散らばめられています。

 私にとっては馴染みの無い、新しい世界を垣間見てしまいました。

 情報量の多い脚本ですので、分析するのが大変です。
 もしまた百合作品を作ることがあるなら、監督と脚本、それに担当回の声優さんを合わせて
 四人でのオーディオコメンタリーを収録して頂きたいところです。





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作品解説
第一話 『Exhibition』 解説 / 感想
第二話 『Shakedown』 解説 / 感想
第三話 『Practise』 解説 / 感想
第五話 『Reverse Grid』 解説 / 感想
第六話 『Dual Purpose』 解説 / 感想
第七話 『Side by Side』 解説 / 感想
第八話 『Engage』 解説 / 感想
第九話 『Mad Saturday』 解説 / 感想
第十話 『Replay Log Data』 解説 / 感想
第十一話 『Blue Flag』 解説 / 感想
第十二話 『Ladies, Start Your Engines!』 解説 / 感想

 

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