
前書き:
結論としては、百合好きの場合にはかなりお薦め出来ます。
ですが、割と賛否が別れると思われるエンディングであるという点だけは注意しておきます。
システムは百合的には最高に良かったですが、諸々の制約が完全に裏目に出ています。
(以下の九行は、人によっては意味不明な記述となりますので、無視して下さって構いません)
それと、これまでにも再三言葉を尽くしてきましたが、良い機会ですので覚えておいて下さい。
本作の様な、男性によるある種の理想を込めた百合とは、歌舞伎の女形の在り方に近いものがあります。
登場人物の女性を、脚本的な点で男性が演じているという意味ではありません。
男性の理想とする百合を描く為、男性から見て百合の美しい部分が強調され、
そこに必要なものが足され、不要なものをそぎ落としているという意味です。
百合に対して、写実的で低次の現実主義を求める層とは相容れない運命にあります。
そちら側の住人によって本作が非難されていても、筆者はこういった者達を責めるつもりはありません。
大事なのは互いの国境を侵犯しないことです。この国の領土に土足で踏み込んでおきながら、
郷に従わず馬鹿げた要求や嘲笑をする者に対して、無理に留まってもらおうとは思わないだけです。
ゲーム性が十分にある媒体において、他のどの作品よりも
百合を重視しているという点で、『よるのないくに』シリーズは偉大です。
百合の未来を紡ぐ為に、このシリーズと系譜は守ってゆかねばなりません。
逆境を迎えている今だからこそ、我々百合好きがそれぞれ積極的に本作に
何らかの貢献をすることによって本シリーズを支えていく必要があるのです。
諸君らはこれらの作品から何かを与えてもらうことばかり考えるのではなく、
これら作品の為に自身が何を出来るのかを共に考えて欲しい。
若干演説じみてしまいました。さて、本題に移ります。
今作のシナリオは、技術的な面においては、前作とは比べようもないほどに洗練されています。
ですが、媒体の違いによる手法の相違や、昨今のスピーディーな展開のシナリオ構成について
無知である場合は、その違いに気付くことはないでしょう。
十分ではありませんが、シナリオの分析も行いました。それに目を通すことで、本作のシナリオが
名実共にプロの仕事だということが理解されることでしょう。
前作の悪評(脚本部分)によって波及する、今後の本シリーズへの風評被害は、ここで断ち切らねばなりません。
プレイ時間の目安は、全てのエンディングやイベントを見るなら、二十五~三十時間
といったところです。ただクリアするだけなら十五時間程度です。
システムに関しては、良くなった部分とそうでない部分とがありますが、詳しくは後述します。
前作に比べて戦術性は大きく低下しましたが、
戦闘中においても百合的には優れたシステムへと変わりました。
前作と異なり、従魔主体の戦法から脱却しています。(前作では終盤まで戦力が従魔側に片寄っていた)
従魔は別として、孤独な戦いであった前作と違い、今作では戦いは絆を育む為の場でもあります。
これからプレイされる方は、攻略のコツを下に挙げておいたので頭に叩き込んでおいて下さい。
何も知らずにプレイした場合、システムに弄ばれることになります。
古強者を自負する方は徒手空拳で挑んでみるのも一興です。
筆者はなるべく独力でクリアしようと頑張った結果、シナリオを全て見るのに四周する結果となりました。(計六十時間)
その上、全体の流れを大切にする為に、その内三周は一度もシーンや演技を飛ばさずにプレイしました。
(後日、DLCの為にもう一度通しでプレイしたので計五周です)
近くアップデートにて改善される予定ですので、それまで待つのが賢明でしょう。
(二週目以降における、月齢進行によるゲームオーバーとボス戦での時間制限が廃止されました)
特に百合的な面において、プレイ前の期待度は高く、
実際にプレイしてそれを遥かに上回る仕上がりに心が躍りましたが、
いざ終わってみると小骨が喉に刺さっているような感覚に陥りました。
本編を補完する内容のDLCが今後に公開される予定です。
それらの内容や続編の有無によっては、筆者も妖魔に堕ちてしまうかもしれません。
(と言っても実際は傷心のあまりブログをやめる程度ですが)
筆者は上述の有料DLCに対しても喜んで払うつもりでいますが、
アップデート前にプレイされた方の中には、既に心に怒りの炎が灯っている者も少なくはありません。
そこに本編補完の有料DLCなどと油を注ぐような真似をすれば、信用は更に落ち、
次回作が仮にあったとしてもその販売に悪影響を与える事は免れないと考えます。
DLCをプレイしても、筆者の渇きが満たされることはありませんでした。
是非とも完全版か続編が欲しい所です。
以下、「百合的な面とシナリオ」、「疑問点」、「感想」にてネタバレ注意。
特に個人的な記述は「感想」にて。
百合的な場面を下部に一部抜粋しておきました。
攻略のコツ:
トロフィー目的以外で、アイテムを集める必要も、従魔を解放する必要もありません。
特定の従魔を連れていなければ通れない箇所がありますが、
基本的に、その先にはアイテムか従魔、目的地までショートカット出来る設備があるだけです。
例外としては、エレノアの親密度を上げる為に、シャルフという従魔が必要になる程度。
ちなみにこれは学園西館1Fの障害を破壊する際に必要になります。
シャルフはユーラルムの資材置き場から先に向かった所にいます。
ですので、基本的には好きな武器に変わる従魔を使って戦闘を楽しむことをお薦めします。
無論、従魔を手に入れる為に別の従魔が必要になる場合もありますが、
日数制限が解消されない限りは、それらは無視した方が楽しめるでしょう。
従魔を進化させるアイテムがラスト付近で手に入りますが、他は店で買えます。
日数制限と時間制限は、近くアップデートされて改善されます。
エンディングや後日談を見るには、周回前提で親密度の管理が重要になります。
とはいえ、これに関してもアップデートにて解消されます。
(二週目以降における、月齢進行によるゲームオーバーとボス戦での時間制限が廃止されました)
バトルに関して。
リリィ(パートナー)が戦闘不能になってもゲームオーバーですので、十分に気遣ってあげて下さい。
息を合わせて戦うのがポイントです。具体的には、ルーエやリリアがパートナーなら
「ダブルアタック」を四回行うことで、「ダブルチェイス」が使用可能になります。
「ダブルアタック」とは、互いの攻撃を重ねることを指します。
カミラはチェイン数が百二十回、ヴェルーシュカとエレノアは吹き飛ばした回数が
それぞれ、十回、十二回で。ミュベールは状態以上付与が五回で。
アーナスは、パートナーが攻撃された際に攻撃し返すと発生する「リベンジアタック」を
三回行うことで使用可能に。言うまでもなく、一度使えばカウントはリセットされます。
ダッシュ攻撃はコンボのコマンドには含まれません。
コマンド通りに押しているはずなのに狙った攻撃が出ないのは、
タイミングが良くない場合だけではなく、上記の理由によっても生じるという点に注意して下さい。
難易度ノーマルまではそれほど敵は強くないので、自由にやっていても勝てるでしょう。
ラスボスに関してはガードや回避が活用できていれば問題無いと思われます。
どうしてもクリア出来ない場合は、絶対者たるあのお方の力を借りましょう。
基本的には敵の攻撃モーションを確認したら、先制して潰すか耐えるか避けるかするだけです。
ただし、攻撃を潰す事が出来るのは、赤いオーラを纏っていない中型邪妖までです。
エンディングについて。
バッドエンド、グッドエンド、<グッドエンド+後日談>で、計三通りが存在します。
グッドエンドの条件は、その周回においてルーエンハイドとリリアーナのリリィクエスト(青)をクリアすることで、
後日談まで見るには、その周回において全員のリリィクエスト(青)を終える必要があります。
百合的な面とシナリオ:
前作ではアーナスとリュリーティスの関係がメインでしたが、
今作では主人公・アルーシェが中心となって、他のキャラとも心を重ねていきます。
前作に比して、一途さで劣るように思われる方もいるかも知れませんが、
関係性は全て異なっていますし、メインとなるヒロインは二人だけです。そして、一方へと落ち着くことになります。
不満点は四つ。一つ、月の女王によってリリアーナの純潔が奪われたと解釈し得るという点。
二つ、アルーシェの唇を月の女王が奪うこと。三つ、アルーシェとリリアーナのキスが無いこと。
(個別エンドが存在するなら、代わりにルーエンハイドとのキスが個人的には必要)
四つ、実に些細なことですが、滑車ギミックの後でリリアがアルをほぼ男扱いすることがある点。(筋肉がついた云々)
ギャグ的な面を残しつつも、ルーエが吸血されるところは
普通に恋愛的な感情を感じさせてくれたので良かったです。
毒の影響による身体への負担を感じさせなかった事に対して、不自然だと非難の声も上がりました。
しかし、あのシーンではルーエは感情(アルへの想い)を力に変えていた為に、
一時的にその影響を免れていたのだと考えられます。
個人的にはアルとルーエの関係に特に惹かれていたので、
この作品に個別エンドがあって二人が結ばれたらな……と考えながらプレイしていました。
今作でクローズアップされた、人間と妖魔の許されざる関係が、
同性同士のそれを禁ずる事に対して類比的であるのも良く出来てるなぁと思いました。
二人が引き裂かれたことで終わる世界が、
二人が結び付くことで続く世界へと変わりました。
(上の二人はアルストロメリアとマルヴァジーア、下の二人はアルーシェとリリアーナ)
こうした対比も上手いですし、構成はおよそ全てに渡って見事でした。
前作のキャラの取り扱いが程良い。当然ですが、前作の主人公が
今作の主人公の役割を奪ったりはしていません。ミスリードも誘ってくれましたし、
今作のキャラと適切な距離感を保っていたと思われます。
百合的な面とシステム:
今作では、百合をアシストするシステムが非常に魅力的でした。
まずは諸々のギミックがそれです。移動の際にいきなりお姫様抱っこをしたりして、
その後の反応を見て思わず歓喜に打ち震えました。親密度毎に反応が違うのも丁寧な仕事です。
若干異性愛を感じさせるようなところもありましたが、個人的には許容範囲内でした。
バトルでもリリィ(パートナー)が戦闘不能でゲームオーバーになります。
筆者は、最初からリリィを守ることに意識を傾けていたので、
このシステムに気が付いたのは二週目に難易度を一時的にExtremeにしてからでした。
息を合わせて戦うことで、強力な攻撃が放てるというのも実に魅力的なシステムです。
リリィバーストでもお姫様抱っこなどが見れる上、
パートナーが攻撃されると気遣ってくれたり、敵に対し憤慨したりします。
また、親密度が上がるごとに力を増していくというのも良い点です。
システム:
良くなった部分も多数、そうでない部分もいくつか。
巷で言われている通り、特定のシステムが互いを食い合っている。
一つ、時間制限と日数制限が存在している。
二つ、特定の従魔でしか通れない場所がある。三つ、特定の従魔が武器に変わる。
これらが絡み合った時、三番目が無視されることになり、システムが死にます。
プレイヤー心理としては、アイテムをみすみす見逃したくはないものです。
また、初見の段階では行き止まりによってシナリオが進められなくなるのではないかという懸念が生じます。
よって、通行の障害を除去することが優先されることになり、
せっかく多彩で魅力的な武器の数々を、一度も使うことなくゲームを終えることになりがちです。
今からでも前作と同じように、自由に武器を変更出来るように変えるべきです。
R1ボタンを押しながら上下左右で変更出来るようにすれば馴染むことでしょう。
あるいは従魔をセットしていなくても、障害を破壊出来るようにするなど。
もはや仕様上不可能なら仕方ありませんが。
前作と異なり、クエストを受諾する手間が無いのは良い。
ホテル内の移動に対してショートカットが使えるのも便利。
目的地やオブジェクトが分かりやすくなり、
探索時における不要なストレスがほぼ無くなった。(前述の従魔関係は別)
戦闘時のエフェクトも過剰にならず、適度で見やすくなりました。
パートボイスについてですが、あれは後からシナリオを補間する為に
シーンを追加した形であるので、槍玉にあげるべきではありません。
念願のジャンプが実装。無くてもあまり変わりないような水準ですが、
無いよりはあった方が良いでしょう。
攻略箇所が六つしかありませんが、その一つ一つが割と広大である為、
前作と比べてそれほど減ったようには感じませんでした。また、DLCであと二つ追加可能です。
リリィクエストの為に、ほぼ同じ場所を何度も行ったり来たりするのは少々面倒でした。
視覚的な飽きはどうにもなりませんが、その都度キャラの掘り下げが
行われていたので、個人的にはそれほど苦ではありませんでした。
マップ画面時、メニューが開けないのは少々問題。
筆者の環境では、エラーの発生は十五時間に一回程度ありました。(PS4 Slimにて)
二週目の<早送りON>や<早送りOFF>の表示が邪魔です。
リリィバーストやダブルチェイスの際に音声のボリュームが小さくなる。
式神が小さくて、背景に溶け込んでしまっている。特に屋上にいるのが。
ただし、重要な情報を持っているわけではないので、いてもいなくてもほとんど変わりありませんが。
ホテルで話しかけられる従魔が、カエデを除いては二体だけであるという点や、
話の内容がほとんど変わらないというのも良い。
式神にしろ従魔にしろ、主要キャラに比べればおまけに過ぎないので、
話しかける手間は少ないに越したことはありません。
世界観の掘り下げに従魔は多少役立つかも知れませんが、
下らない世間話をさせるくらいなら、今作のようになるべく話させない方針が良いと考えます。
モデリングとモーションについて:
モデリングは前作がほぼ完璧でしたので、微調整する余地があるかどうかでした。
しかし、今作ではチープな感じのハイライトがべったりと髪に張り付いていて違和感があります。
前作はドールの髪のように輝いていたのが、今作ではフィギュアのような残念さに。(筆者はフィギュアは百体くらい購入済み)
陰影の情報量が減って体がのっぺりとして見える場合が多少あります。とはいえ、ラインは十二分に綺麗。
メニュー画面でのキャラモデリングだけは理想的な仕上がりであると考えます。
開発段階で二転三転していたのは、これまでに公開されてきたものを見れば分かります。
ですが、遠くから見た場合はそれ程の違いは感じませんし、
元となったキャラデが魅力的という事もあり、現状でも十分可愛いです。
個人的には前作から服装のセンスが特に気に入っています。
前作では記号じみていたモーションも、数が増えて解消されました。
何より美少女や美女の数が大いに増えたので、画面が非常に華やいでいます。
戦闘中の動きには違和感を覚えるものもありますが、
戦いに集中していればそれ程気にはならないでしょう。
複雑なモデリングと多様なモーションは、トレードオフの関係にあると
思われますが、前作にせよ今作にせよ個人的には満足しています。
モーション的には、首を傾げるヴェルーシュカが特に可愛かったです。
控えめなガッツポーズを取るリリアも微笑ましい。
邪妖や従魔を一新してきたのには驚きました。
前作のシナリオが割と不評であり、主にそれを受けて今作の売上が減ってしまったので、
次回作では余計なお世話かも知れませんが、邪妖や従魔はもっと流用して開発コストを抑えるべきだと思われます。
技術の蓄積を目的とし、実験作としての役割が与えられていて、開発費や売上が度外視であるなら話は別ですが。
その他:
大型邪妖が間抜けな感じで、世界観を壊していると思い、最初はかなり不快に感じました。
しかし、子安さんが演じていたというのが分かってからは、それほど気にはならなくなりました。
式神や従魔、邪妖の声も女性のものが多かったのは良かったです。
男性声も、ワンシーンだけチンピラじみた邪妖が不愉快でしたが、
ミュベールに挑んできた最初の邪妖は格好良かったと思います。
プールシーンは所々ギャグが入るのが面白かったです。
アトリエシリーズから出張してきたようなキャラが一名いて、
デザイン的に本作の世界観を破壊しているようにしか思えませんでした。
当初は、アトリエシリーズファンにアピールするだけの客寄せパンダとしか思えず、
親密度を上げるのが苦痛でしたが、ヴェルーシュカと対比させることで、
力によらない平和への道を象徴するキャラにまで昇華させられていました。
ヴェルーシュカの成長にも寄与していますし、エレノアは良いキャラだと思います。
疑問点:
妖魔は不滅という設定にもかかわらず、
アルストロメリアが心中しようとしたのは、月の女王にとっては精神的死が心中になるから?
ヴァルデロッサは生きているのだろうか?
ヴァルデロッサはマルヴァジーアを解放してくれと頼んだが、
その意味は、もはや心が戻ることはないから命を断てという意味?
それとも和解してくれということだろうか?
どちらもなされていない以上、ヴァルデロッサの願いは宙に消えるだけです。
マルヴァジーアの心が癒されないなら、楽にして(殺して)やった方が幸せかもしれない。
あのまま時を遅らせても、マルヴァジーアの憎しみは癒されることも消えることもない。
(上記はDLCにて概ね明らかとなりました)
アルーシェとリリアーナは、同じ時を重ねていくことが出来ない。(妖魔と人間という点はさておき)
命が尽きかけているリリアの時間も遅らせているのだから、思考するだけの時間幅はないはず。
命だけ保ったまま動かないリリアを、アルは永遠に眺めているだけ?
無限に遅らせた時の中で、二人は幸せと言えるのだろうか。
無論、それを決められるのは本人達だけではあるが。
神経科学的な面は考慮せず、愛する二人が永遠に共にある、
という一点のみを抽象的に受け取れば、客観的に見ても幸福と言えると思われます。
後日談では、明らかに真エンドへの道が残されています。
ユーラルムがリリアの夢の一部になったという言葉の意味は?
夢が実体を持っているのは何故?何が質量を与えているのでしょう?
「今回も見つけてくれた」という台詞から、繰り返し夢を見ていると考えられます。
某RPGの十作目における、<祈り子+召喚士>がリリアーナ。幻光虫の役割は?
アルストロメリアとアルーシェは血縁?生まれ変わり?
DLCなどで情報が追加され次第、考察を重ねていきたいと思います。
感想:
以下はかなり個人的な内容になります。
アルとルーエの関係が特に好きです。
ホテルを見て回った時に、一緒に寝ようかと無邪気に誘えるのはアルーシェならではですね。
満更でもない様子のルーエがとても可愛かったです。
せっかくだし一人一部屋にしようか、なんて気軽にフラグをへし折る
アルに対して、少し拗ねちゃうところも微笑ましい。
屋上の教会を目にして、結婚を考えることがあるか尋ねるシーンも良かったです。
星降りの丘について思い出すアルに対して、恋人の丘とも呼ばれていた、
なんて語り出すのも、思わず口角が上がってしまいました。
ことあるごとにルーエがアルを意識しているのが見て取れました。
普段の高潔な人柄に、ふと見せる乙女なところがとても魅力的です。
ルーエが初めてをアルに奪われてしまうシーンは最高でした。
割とギャグ的なニュアンスではありましたが、
この場面を初めて見た時はまさに天にも昇る心地でした。
妖魔に堕ちて皆を傷つけてしまうかもしれないと怯えていたアルーシェを
励まし勇気づけ抱き締めるところも良かったです。
検査なら見られても恥ずかしくない、と言うカミラ博士の体を見ている内に、
アルが興奮してしまったりするのも良い。(心臓の伏線であるとも言えますが)
この時に、この子は安心出来ると思いました。百合的な意味で。
ヴェルーシュカに対してはお姉さんぶっちゃうところも微笑ましかったです。
一時は敵だと思っていた相手にさえ、当たり前の様に手を差し伸べられる
アルーシェだからこそ、ヴェルーシュカの心を取り戻させることが出来たのでしょう。
自分のことで、自分以上に怒ってくれたり悲しんでくれたりする人がいる。
それはとても素晴らしいことだと、私は考えます。
ミュベール隊長は人を見る目がありますね。
入学に際しても学業にしても面倒を見てやって、騎士隊に入ってからも世話を焼いて、
お陰で立派にアルーシェは成長しました。(頭は若干お察しでしたが、そんなものは皆で補えばいいだけですし)
お姫様抱っこをした後で、アルに対して「色々な所が成長しているな」って、
そっちの成長も見守るとは、流石はミュベール隊長。妹を教え導くお姉さまの鏡ですね。(冗談です)
そうした所に強さを求める気持ちが加わり、互いに切磋琢磨して向上していく。
姉妹関係とライバル関係を併せ持った素晴らしい関係性だと思います。
ラストで、リリアが一人で戦い続けていたということを知った時には、
やはりリリアを守るのはアル以外にあり得ないと思いました。
アルは幼少時にリリアと出会うことで変わりました。
ルーエを含め三人で友情を育み、ミュベールに導かれ、カミラに命をもらい、皆に支えられてきました。
アルの真っ直ぐな性格は主人公としてとても魅力的でした。
続編や完全版、あるいはトゥルーエンディングの追加DLCが出るなら、今回のような若干
消極的で感傷的、抽象的にして曖昧な幸福さをはらんだエンディングではなく、
大団円を迎えて欲しいと個人的には願っています。
結局の所、多少のご都合主義があってもいいから普通にハッピーエンドが見たかったです。
これだと通俗的で、芸術性やある種のロマンには欠けますが、
アルーシェのような真っ直ぐな主人公には普通の幸せが良く似合うと思います。
(妖魔となった以上、無理な話かもしれませんが)
ラベンダーでいっぱいになった教会で、二人の花嫁が式を挙げる日が来るのを願っています。
百合的な場面の抜粋:
リリィバースト

アルを心配するルーエ


一緒に寝ようと誘うアル








教会を見て、アルに結婚について尋ねるルーエ



アルの身体を気遣うルーエ


アルに見られて恥ずかしがるルーエ



ガッツポーズが重なる二人

アルを気にかける理由を問われ、答えるルーエ。言外にアルへの想いを滲ませている




星降りの丘の逸話を語るルーエ


互いを守ろうとする二人




ルーエにもっと近づきたいアル

妖魔に堕ちて、皆を傷つけてしまわないかと不安になるアルを抱きしめるルーエ

ルーエの初めてを奪うアル



<アルーシェとリリアーナ>
任務が終わったら故郷へ一度帰ろうと約束するアルーシェ


リリィバースト

アルの死後、初めて再会した二人


子供の頃の二人

リリアと共に生きる為、月の女王を倒すと決意したアル。事実上のプロポーズとも取れる




アルと親しげにするミュベールに対し、嫉妬を覚えるリリア






リリアへの想いを力に変え、永遠に時を遅らせるアル



<アルーシェとヴェルーシュカ>
命の尽きかけたヴェルーシュカを延命させる為、蒼い血を吸うアル


連れて行きたい場所があるが、目隠しはさせてもらう
とヴェルーシュカに言われ、そういった場所を想像するアル

<アルーシェとミュベール>
アルの抱える半妖の苦しみを理解出来るのは自分だけとし、アルを受け入れるというミュベール




絶命しかけるミュベールを救う為、その蒼い血を吸うアル






アルに愛を語るミュベール

リリィバースト。戦闘中でも吸血とお姫様抱っこを忘れないミュベール隊長





アルの成長を見守るお姉さまなミュベール



<アルーシェとカミラ>
術後の経過を確認する為、心臓の鼓動を聞くカミラ

吸血衝動を抑える為に、カミラの赤い血を吸うアル

人工的に半妖になったアルの身体を検査するカミラ



体をじっくりと見られて恥ずかしかったアル。
検査なら恥ずかしくはないと言うカミラに対し、検査をし返すが、綺麗な体に思わず興奮。
(心臓が持ち主に反応していたとも取れなくはありません)





血の渇きに苦しむアルに自身の血を与えるカミラ




アルの限界活動時間について聞かされ心配し、カミラに託すルーエ



<アーナスとリュリーティス>
リュリーティスの指輪を見て、正気を取り戻すアーナス

<アルーシェとアーナス>
血を吸い合う二人。アーナス側は自分の血を返してもらう為に吸血

リリィバースト

<アルとリリア、アーナスとリュリーティス>
好きな人について


リュリーティスの手紙を読んだ後で、指輪について




<ヴァルデロッサとマルヴァジーア>


<マルヴァジーアとアルストロメリア>
二人の思い出







再会したマルヴァジーアとアルストロメリア。還る魂










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