
※上のモザイクは筆者が施したもの
◆序文:
(注意点、心得)
シナリオは短く、構成は起伏に乏しく、見せ場もほとんど無い。
背景は素材レベルで、世界観の演出に寄与していない。作画も不自然な箇所が割と多い。
唯一の美点は、作風全体として清廉な所だろうか。
以下、ネタバレは無し。
◇:攻略
プレイ時間目安:約四時間
アリッサ視点 → ひつじ視点
の順でプレイし、選択肢は“努力する”を選択。
簡易表:
(E-からA+まで)
脚本 (what to tell 何を描くか)
アリッサ視点 | ひつじ視点 | |
物語 | D | D |
構成 | D | D |
(※一.物語とは、世界の変革、個人の心境変化、それらの変化量。描出すべき事象の過不足の無さ)
(※二.構成とは、物語を描く為の適切な場面の配置、伏線、起伏、溜め、ミスリード、小道具の使用等)
演出 (how to show どう描くか)
アリッサ視点 | ひつじ視点 | |
脚本的 | C- | B- |
作画的 | C | C |
音響的 | C | C |
スクリプト | C | C |
(※一.脚本的演出とは、見せ場を指す。出会い、別れ、愛情、信頼、危機、対決、和解、真実の劇的発露)
(※二.作画的演出とは、印象的な絵。構図、背景、表情、所作、衣装、色、光、象徴、対比、レンズ効果等)
(※三.音響的演出とは、音楽と効果音の使い方。挿入歌は含むが、演技とシステムボイスは含めない)
(※四.スクリプトとは、画面効果を指す。アイキャッチ、ワイプ、暗転、立ち位置や表情の変化等も含む)
◆脚本:
(シナリオ、構成、テキスト、表現)
脚本に別段の技巧は凝らされていない。
それぞれの視点で同じ場面を見る事が出来る、実験的な試みもあったが、
情報量自体はさして増えていなかった。
抑圧自体がほぼ皆無な為、カタルシスは得られなかった。
好意的に解釈すれば、優しい世界だと言える。
◇演技:
どのキャラも可愛らしいもので、特に問題は無い。
◆演出:
(スクリプト、画面作り)
ワイプ(画面転換の技法の一つ)に星を使っていて、作品のイメージに合っている。
動揺した際にキャラをシェイクする等、それなりに効果が付せられていた。
◇作画:
(キャラクターデザイン、原画、塗り)
脚の付け根の線が濃過ぎて違和感がある。
素材にもよるが、服のシワが少ない。背景から人物が浮いて見える。特に五枚目に顕著。
目の塗りだけは、それなりに力が入っている。
◆音楽:
ピアノ曲が心地良かったが、特に印象に残ったものは無い。
◇効果音:
ほとんど付せられていなかった。
◆背景:
教室等は素材レベルであり、美術的な演出価値は皆無。
◇システム:
横に長いテキストボックスの為、多少だが読みづらい。文字の大きさも若干小さい。
他は基本的に、商業レベルと言って差し支えない。
◆他:
特に言う事は無い。
◇結語:
これといって印象に残った箇所は無いが、優しさに満ちた美しい世界だと思う。
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