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ねのかみ 京の都とふたりの姫騎士 後編 感想/レビュー


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前作におけるレビューの序文で、個別CGは六枚と書いたが詳細は後の方に書いた為、ここにも付しておく。
ギャラリー(CG鑑賞)では六枚であるが、差分扱いで個別CGがもう一枚ある為、実際は七枚存在している。

埋まらないCGやおまけシナリオは、パッチを当てることで解放される。


◆序文:
(注意点、心得)


多くの点で前作を上回っている。もはや同人というレベルではない。非常に密度の高い作品。


背景の仕上げも向上した。
とは言え元が写真である為、雑草や木々が細か過ぎて割とうるささは残っている。
この手法を継続する予定なら、加工した後に映えるような場所を、取材で探し出すのも良いだろう。

人によっては、ボイスに予算を回すことを望む者もいるかも知れない。
筆者としては、重要なシーンさえ押さえておけば、その予算を絵に回すことを勧めたい。


用語辞典もワンクリックで行けるように改善。(前作では二回クリックする必要があった)

個別CGの枚数も、二十八枚と前作の四倍にまで増した。(ギャラリーにはラストカットは含まれていない)
ちなみにその内、SDが十枚、背景のみで二枚を含む為、単純に枚数だけでは語れない。

前作のレビューにて筆者は、老婆が白兵で戦うのは絵にならないと書いたが、
考えを改めようと思う。塗りと線の情報量が増えていて、実に迫力ある仕上げとなっていた。

少々過剰ではあったが、挿入歌が本作の数多ある名シーンを彩っていた。

以下、ネタバレは「脚本」、「作画」項のみ。



◇攻略:


プレイ時間目安:七時間 (おまけシナリオの一つを含む)

選択肢が一度あり、異なる視点から物語を追うことが出来る。



簡易表:


未完の為、脚本関連は後に見直す予定。以下の脚本項は前編と併せて判断。

脚本 (what to tell 何を描くか)

物語
B+
構成
B+


(※一.物語とは、世界の変革、個人の心境変化、それらの変化量。描出すべき事象の過不足の無さ)
(※二.構成とは、物語を描く為の適切な場面の配置、伏線起伏、溜め、ミスリード、小道具の使用等)


挿入歌の使用回数において、過剰さが目立った。同じもの二回以上使えば、効果は半減してしまう。
この点と、深刻な場面で日常系の曲を使用したことを合わせ、少々減点とした。

スクリプトのミスは二回程あったが、被害は軽微であり、特には考慮しなかった。
(テキスト上に、“☆シェイク”という演出指定が残っていて、スクリプトが付せられていなかった)

演出 (how to show どう描くか)

脚本的
A
作画的
B+
音響的
A
スクリプト
A-


(※一.脚本的演出とは、見せ場を指す。出会い、別れ、愛情、信頼、危機、対決、和解、真実の劇的発露)
(※二.作画的演出とは、印象的な絵。構図、背景、表情、所作、衣装、色、光、象徴、対比、レンズ効果等)
(※三.音響的演出とは、音楽と効果音の使い方。挿入歌は含むが、演技とシステムボイスは含めない)
(※四.スクリプトとは、画面効果を指す。アイキャッチ、ワイプ、暗転、立ち位置や表情の変化等も含む)




◆脚本:
(シナリオ、構成、テキスト、表現)


シナリオは洗練されている。見せ場も多く、構成も丁寧。

まずは構成について。

前編の発売から日が空いたが、後編の始まりを勢い良く切る事で、
少々冷めていた気持ちを覚まさせてくれた。

前編の導入が入念に為されていた事と、前編自体が後編への大きな溜めとなっていて、
そこからの飛躍にも成功している。更に続編へ向けてスケールの広がりも見せてくれた。

決戦の前に、最後の日常としてプール遊びに行ったのも良い。
回想の長さも適切。

次に脚本について。

マニキュア除去剤を投げつける所は、正直意図が良く解らなかった。
御劔の敗因の一つにしたいのは判るが、説明が不足しているように思えた。
女性らしさを捨てたことの象徴としたいのは解るが、それ以外に関しては疑問符が浮かんだ。

ルカや御劔の真実が明らかとなっていく場面は、特に意識を釘付けにさせられた。

キャラ設定に関して。

キャラに関して、少々後出しに見える箇所もあったものの、設定自体は最初からあったのだろう。
伏線があったかどうか、いつか前編からプレイし直して確認したい。

その他。

ふりがなが小さ過ぎて、判読しづらい。
ボイスが少ない分、視認性を上げる必要があると思われる。

誤字脱字は三回程度で、前作より増えたがそれでもまだ少ない方。




◇演技:


少な過ぎて、特に言うことは無い。

完全版のような物をいつか出す予定があるなら、是非とも御劔の声を追加して頂きたい。



◆演出:
(スクリプト、画面作り)


背景が改善した事で、物語世界に浸り易くなった。

戦闘時のエフェクトも、質と量の両方で向上が見られた。
特に初戦では続編のスタートを切るに当たり、十二分に配慮が行き届いていたと言える。



◇作画:
(キャラクターデザイン、原画、
塗り)


うずめの手紙のシーン。髪の流れが実に綺麗。泣きながらも最後に笑うのが実にうずめらしい。

漣と東雲の戦い、動きの感じられる漣の体の流れが良いと思う。
手前にある神剣は、被写界深度エフェクトを足すのもありだったろう。

白狗のデザインは元々可愛らしいものではあったが、
今作ではおよそ誰もが納得のいくものになったと思える。


鬼のデザインが最も陳腐で作品の品位をいくらか落としている為、ここは特に変更する必要があるだろう。



◆音楽:


挿入歌がこの上無く場面を盛り上げてくれている。

演出的なことを言えば、一曲の時間の長さに合わせて、挿入箇所を調整すると尚良いだろう。
無論、更にそれを進めてムービーの様に仕上げるのが一番ではあるが。



◇効果音:


再プレイ後に追記するかも知れない。



◆背景:


“末広大神”と書かれた暖簾(のれん)が目に痛い。
個人的には、彩度だけでも落としておくべきだと思う。

また、これは前作でも見られたが、全体的に傾いている箇所がある。
特別な意図が無い限りは、水平出しを心掛けた方が良い。

「序文」で述べた通り、前作に比して大いに質は向上している。



◇システム:


用語辞典までのクリック回数の最適化が成されていた。
また前作同様、辞典内にネタを仕込んでくる等、遊び心も兼ねている。

視点の切り替え時にも配慮が行き届いていた。



◆他:


サントラを始め特典が豊富、その上価格も抑えている。



◇結語:


爺さんと婆さん、唄之の過去も見たい。
憎しみに囚われていたとは言え、友の為にと命を賭して戦ったその姿には感銘を受けた。


前作以上に作品に魂が込められていたように思う。
本作は多くの人の心を動かすものとなっただろう。

今後も本シリーズから目を離す事が出来ない。

飽くなき向上心が、本作の更なる飛躍を約束している。

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