
◆序文:
(注意点、心得)
本作はぺこ氏によるSD画集であり、それを目当てにするなら報われるだろう。
シナリオ重視の方に対するお薦め度はF。いわゆる金太郎飴シナリオ。
構成に関しては、およそ起承転結も序破急も三幕構成も何も無い。ネタもつまらない。
正に究極の日常系、特別な事は何も起こらない。無論、意図的であるのは分かっている。
日頃を常在戦場の心持ちで生きている方には、砂漠のオアシスの様な作品だろう。
四コマ漫画を読むような気持ちで、一日五分ずつプレイすればきっと満足出来る。
それ以上プレイすると、言い方は悪いが、脳が退化する恐れがある。
以下ネタバレは無し。
◇攻略:
プレイ時間目安:四時間
一, 笑顔に見とれる
二, 取ってあげる
三, 恥ずかしい (“あきらめる”を選択で、途中エンド)
四, ダメ!?
脚本 (what to tell 何を描くか)
物語 |
E |
構成 |
E |
(※一.物語とは、世界の変革、個人の心境変化、それらの変化量。描出すべき事象の過不足の無さ)
(※二.構成とは、物語を描く為の適切な場面の配置、伏線、起伏、溜め、ミスリード、小道具の使用等)
演出 (how to show どう描くか)
脚本的演出 |
E |
作画的演出 |
B- |
音響的演出 |
C- |
スクリプト |
C- |
(※一.脚本的演出とは、見せ場を指す。出会い、別れ、愛情、信頼、危機、対決、和解、真実の劇的発露)
(※二.作画的演出とは、印象的な絵。構図、背景、表情、所作、衣装、色、光、象徴、対比、レンズ効果等)
(※三.音響的演出とは、音楽と効果音の使い方。挿入歌は含むが、演技とシステムボイスは含めない)
(※四.スクリプトとは、画面効果を指す。アイキャッチ、ワイプ、暗転、立ち位置や表情の変化等も含む)
◆脚本:
(シナリオ、構成、テキスト、表現)
ワンシーンが長い、面白いネタが無い、情景描写や内面描写も無い。
テキストは台詞のみ。物語性が皆無、ただしこれは日常系には必ずしも必要ではない。
◇演技:
有名所の声優も起用している。(榊原ゆいさんと喜多村英梨さん)
◆演出:
(スクリプト、画面作り)
暗転に近いワイプ(画面転換の技法の一つ)に、複数の種類があった。
青文字シリーズよりは手が込んでいる。アイキャッチを動かすのもその一つ。
◇作画:
(キャラクターデザイン、原画、塗り)
一分の隙も無い程に可愛い、視ているだけで幸福な気分になる。
言うまでも無く、デフォルメバランスも完璧。
◆音楽:
全部で二十一曲、歌は無し。相変わらずの使い回し。
◇効果音:
特筆すべき点は無し。
◆背景:
使い回しが目立つ。他はフリーゲームから同人一般レベル。
◇システム:
バックログが三行のみ、しかし音声が止まらないのは良い。
最低限のものは揃っている。
クイックセーブやクイックロードタブを押しても、サウンドエフェクトが無い為、
押したのかどうかが分からない。
◆他:
特に無し。
◇結語:
百合絵を描き続ける限り、ぺこ氏を応援したい。
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