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百合作品媒体小論・補遺

『百合作品媒体小論』における有益なやり取りを再掲しておきます。
サイト移転に伴い、記事のコメントを直接は引き継がなかったので。

選択肢と感情移入、カタルシスについてが主題です。

2016年1月23日 6:44 PM スピカ


興味深い結論ですね。 
ここでいうゲームはテレビゲームの話ですが、広くとらえるとトランプなどのカードゲーム
やオセロなどのボードゲームもありますね。 
あれらは演出や脚本など皆無なのにもかかわらず、いまだに遊ばれているわけですから、
やっぱりゲームはゲーム性というのを体現しているように思えます。 

一つ質問なのですが、ルートデザインの記事にある

単線型は、プレイヤーが物語に干渉する余地が無く、決断を迫られる事が無い為、
システム的な面による物語への感情移入は促されない。

中略

そうした試練を超えた先にグッドエンドがあれば、
その時にこそ、我々は勝利の美酒を味わうことが出来るのである。

との記載ですが

自分はFLOWERSをプレイした際、ミステリーパートで躓いてしまったのをきっかけに、
結局最初から最後まで攻略サイトを見ながらプレイしてしまいました。
もしADVをプレイするときに攻略サイトを見た場合、
選択肢がただ単純に見たいEDにたどりつくための作業になりますが、
やはり攻略サイトを見てプレイするのは感情移入や、感動を妨げる要因になるとお考えですか?

自分の場合1周目は自力でプレイして、2週目から攻略サイトを見るというパターンが多いのです。
ただ1周目は作品に対する新鮮な気持ちや、最初から最後まで丁寧に文を読んでいて
物語の前後関係をしっかり把握している、などのカタルシスを得るのにいい条件がたくさんあります。 
なのでこの好条件を生かして攻略サイトをみて最初からトゥルーEDを見るのも手かな、
などという考えもでてきました。月桂樹さんはどのようにプレイされていますか?



2016年1月24日 1:04 AM 月桂樹

スピカさんとのお話には色々と気付かせてもらえる点が多く、
こうしてコメントを頂けてありがたく思います。

私も同じく、一週目は自力でプレイし二週目からは攻略サイトで、というのが多いです。

特に気に入ったルートでは、物語の流れを大事にしたいので、一からプレイし直します。
同じシーンであっても再度見て、演技も飛ばさずに味わい直します。

攻略サイトを見て最初からトゥルーEDというのは、ありだと思います。
仰る通り、最も新鮮味があるのは初回プレイ時だからです。

例えば、ソルフェージュにおいては、事前にヒロインに関する情報も無しに、
どの場所に行くかという選択肢にいくつか答えるだけで、後に個別ルートへと分岐します。

この為、私は直ぐに攻略サイトを見ましたが、個別ルート分岐後の選択肢は理想的なものでしたので、
自力でプレイして、グッドエンディングが見られました。

ルート分岐前のソルフェージュのように、解答不能と最初から分かっている場合は、
答えを見ても感情移入が阻まれる事はほぼ無いと思われます。

理想を言えば、攻略サイトを全く見ずに一発でトゥルーEDに至るのが、
感情移入の観点からは最大の効果を上げるものと思われます。

もちろんその為には、必要条件として、正答を得る為に不可欠な情報が配されている必要があります。
また、白恋でもそうでしたが、鍵が掛けられている場合は周回プレイをする事になります。

FLOWERSのミステリーは、正答を得る為に不可欠な情報がプレイヤーには十分に与えられず、
確信を持って正答するのが不可能になっています。ですが、解けるものもいくつかはあったと思います。

ただ、ミステリーのような、論理的に解決が可能であることが求められるものと異なり、
人間関係の微妙な機微には、正解はそもそも無いのだと言われればそれまでですが。

ただし物語主体のゲームである以上は、多くのプレイヤーが自分の目的とするエンディングに
自力で辿り着けるようになっていて、可能な限り楽しませるようにするのが、もてなしの精神だと考えます。

以下はシステムと感情移入について。

ADV以外におけるシステム主体のゲームであれば、例えばRPGなら、
ザコバトルでも頻繁に全滅し、リセットする事を前提に作られた『サガフロンティア』シリーズと、
リセット禁止が基本の『俺の屍を超えてゆけ』があります。

「俺屍」ではリセットを繰り返せば、一族の死に何も感じなくなります。
リセット禁止の縛りがあればこそ、その死に痛みを覚えます。ゲーム上とはいえ、
家族の死に耐えられなくなり、安全プレイをしていると五十時間くらいは余分に持って行かれます。
私は攻略サイトを見て終わらせましたので、悲願を達成する喜びは減ったと思います。

ですが、単純な作業にそれだけの時間をかけるのはどうかと思います。
また、そうしている間に気持ちが冷めてしまうという懸念もありました。

以下は折衷案などについてです。

FLOWERSは選択肢としてはほとんど破綻していましたので、初回時においては
解けそうな所は自力で他は攻略サイトで、というのが折衷案です。とはいえこれは面倒ですね。

ソルフェージュにおいて、ミュージックパートの難易度があまりに高く、
練習している内に物語の内容を忘れてしまうのではないかと思う程でした。
その為、感情移入を促進してくれるはずのゲーム性を放棄して、オートで済ませました。

物語的に面白いかどうかも分からない作品に、時間を取られたくないという思いもありました。
今なら、もう少しだけ努力しても良かったと思っています。

いずれにせよ、現状、百合ADVにおいて理想的な選択肢が与えられていない事が多い為、
各人が何らかの折り合いを付けてやっていくしかありません。

しかしながら、ソルフェージュのルート分岐後のように、
理想的な選択肢の場合は自力で取り組むのが望ましいと考えます。

解答可能な選択肢が与えられているかどうかは、プレイするまでは分かりませんが、
プレイ済みの方に聞いてみるのも良いかもしれません。

この度もありがとうございました。
私達の対話を見る事で、他の方々も何らかの示唆が得られる事でしょう。

何か思う所があればどうぞお気軽に、またいつでもいらして下さい。

 

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