以下、色付きの文字にリンクは無い。
更新
5/17 考察一 前日談であるSSを深読みし、本編を繰り返さずに行った為、失敗。翌日非公開へ
5/18 考察二 SSをほぼ無視して、考察一から得られた有益な部分を抽出
5/19 考察三 該当箇所を再プレイ、論点を整理。考察二を一部修正。時系列表を再構成
5/20 追記 考察二にラボの件を追加
5/21 修正 文章のミスを修正
5/23 追記 考察三に生死不明の場合を追記、時系列表に火事と臓器について追記
12/30 考察四 ホワイトメモリアルの解説を含め、再考察
考察二:
「白衣性愛情依存症 Shooting Star’s Short Stories」について:
疑問一:SSにある流れ星と童話は本編に関係あるのか
予想解一:あるが、一部に過ぎない
疑問二:あるとしたらどの程度関係するのか
予想解二:自分の為だけの願いが良くない、という点のみ
(先日行った考察は、この点で本編よりSSを重視した結果、的外れなものとなった)
白衣性愛情依存症 本編について:
疑問一:きょうこという危険分子を残したまま、あすかから離れてどうするのか
(さくやにあすかを託しても、きょうこがいる限り、あすかの命は危険に晒され続ける)
(きょうこが刺した事を、なおは知らない? しかしきょうこがプリントを見に来た時、明らかに二人は敵対していた)
疑問二:同様にして、ラボの強硬派に対してどうするつもりだったのか
(すみかの様な者がいるなら、あすかは危険なまま)
(いつきルートと同じく、いつきが潰した?)
考察三:
以下、記憶封印前のあすかを“あすか”と引用符付きで表示。これはゲーム内と同じ。
ルートデザインの弊害:
なおルートでは、きょうこの存在を明かせない → 刺殺未遂事件が解決しない
↓
さくやの臓器と魂の事情について言及出来ない → なおは、さくやルートでいつきから聞く
火事の時にさくや死亡、後にきょうこに臓器提供がなされ、さくやの意識が目覚める
最初の記憶封印は、毎晩火事の夢に苦しんでいた“あすか”の為
↓
さくやの死が前提となっている (と筆者は解釈)
“視界を覆い尽くす一面の炎。 そこで、誰かの名前をずっと叫んでる自分がいて。 今ならわかる、それは施設が火災に遭ったときの記憶。 叫んでいたのは、さくやさんの名前。” “「一度目は、お姉ちゃんが火事の夢に苦しんでたから、 記憶を消してあげた。お姉ちゃんのためだった」” |
二度目以降の記憶封印、動機はあすか(“あすか”)がさくやのところに戻るのを恐れた為
↓
さくやの生が前提となっている (と筆者は解釈)
“「恐かった……せっかく本当の姉妹として仲良くなれたのに、 お姉ちゃんがいなくなっちゃうって思った」 「さくやさんのところに行っちゃうって……恐かった。だから、また――」” |
この“行っちゃう”というのは、死んだ相手に気持ちが、ということ?
それとも生きている相手の所に直接向かうということ?
あすかとなおがそれぞれ、さくやの生死をどう認識していたのか。
それによって、描出すべき事象が決定される。
“あすか”は、さくやが生きている事を知りながらも、守れなかった事を嘆いていたのか。
それともさくやの命が失われた事も含めて嘆いていたのか。
生死は不明のまま、生存の可能性を残したままに、ただ苦しんでいたのなら、
“あすか”はかなり残念な精神の持ち主という事になる。
また、なおの高知能を以ってすれば、それを調査する事も出来たかも知れない。
時期 | 状況 | 能力 | 動機 |
補足 |
“あすか”入所以降 | ・名無しと“あすか”が出会う 聞き間違いから、なおの名前が決定 ・以降、なおは無遠慮な“あすか”に 惹かれる (少々特殊な性癖が身に付く) |
なおは普段 隔離されていた。 なおを知る者は少ない。 なおの為に センターは作られた |
||
あすか八才 (“あすか”) |
・センターで火事、さくや死亡 (きょうこ、さくやを守る為、職員を殺傷) (さくや、それを目にし能力を暴走) ・“あすか”傷心 ・その後、なおは“あすか”と 同じ家に引き取られるように手配 |
記憶封印 | さくやを助けられず、 火事の夢で 苦しむ“あすか”を救う為 (さくやの死が前提)? |
なおルートでは、火事の 真相は明かされない。 この時のさくやの生死に ついても明言されない。 さくやが生きている事を なおが知っているなら、 記憶を封印せずに、 “あすか”をさくやに 会わせればよい事になる (臓器移植は火事の後) |
中学二年 夏休み前 |
・なおが不良に一方的に 吹っ掛けられたケンカ(呼び出し)に、 あすかが一人で仲裁に入り、 全治一週間の怪我を負う。 以降、なおはあすかに惹かれる ・あすか、入院七日目に 記憶を取り戻しかける |
記憶封印 | あすかがさくやの所に 戻らないようにする為 (さくやの生が前提)? |
八才時と同じく、 この時のさくやの生死に ついては明言されず |
中学三年梅雨~ 高校三年梅雨 |
・あすか、梅雨の時期に 記憶を思い出しそうになる |
記憶封印 | あすかがさくやの所に 戻らないようにする為 (さくやの生が前提)? |
八才、中二時と同じく、 この時のさくやの生死に ついては明言されず |
高校三年 帝都看護 オープンキャンパス |
・偶然を装い、さくやといつきに 接近するなお (あすかに記憶を思い出させない為、 釘を刺しておく) |
この時さくやの生に対して、 驚きがあった等の 言及はされなかった以上、 なおは、さくやの生を 知っていた事になる。 ここに、八才時における 記憶封印との矛盾が生じる |
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帝都看護一年 梅雨 |
・あすか、梅雨の時期に 記憶を思い出しそうになる |
記憶封印 | あすかがさくやの所に 戻らないようにする為 |
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帝都看護一年 試験明け カラオケ以降 |
・“わたし好きだよさくやのこと” (“あすか”の想いが発露する) ・さくやとの事を応援すると言うなお (この辺りから、特に 封印を解きたいと思い始めた) (罪の意識は以前からあった) |
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帝都看護一年 文化祭 刺殺未遂 |
・学校の屋上で、 きょうこに刺されるあすか |
治癒 | あすかの命を救う為 (この一件で、なおは能力を 使い切った) |
なおルートでは きょうこの存在は語られず、 事件は未解決。 敵対するきょうこと なおの問題も未解決 |
帝都看護二年 梅雨 |
・あすか、梅雨の時期に 記憶を思い出しそうになるも、 なお、能力は使わず(使えず) |
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その間 (※文化祭以降 かも知れない) |
・別行動を取る事が増えた二人 (決着を付ける為、 水面下で行動するなお) |
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帝都看護二年 最初で最後のデート |
・なお、身を引く事を決意。 最後の想い出を作ろうとする |
|||
デート後の夜 | ・なお、学校の屋上へ。 それに気付き、追いかけるあすか。 いつき、銃を手になおの元へ。 なお、悪人を演じる。 あすか、許さない事で なおを繋ぎ止める。 いつき、なおに向けて銃を構える。 あすか、なおを庇う。 さくやが現われ、和解へ |
記憶封印
未遂
(狂言)
|
あすかが普通に記憶を 取り戻すと、なおは感謝されて、 許されてしまうと考えた。 それ故、記憶を奪おうとするも 失敗した、という形を演じた |
呼び出しをしてきた 相手から、 なおを守ろうとする事で、 不良事件の一部再現 にもなっている。 後日談にて、狂言の 動機が語られるが、 “あすか”となおの 言わばSM的な関係が 根底にある。“あすか”は 半ば暴力的ではあったが、 そこに強い繋がりを なおは見出していた |
以下の事情について、なおは、さくやルートでいつきから聞く。
さくや母の日記:
“お母さんの日記に書いてあったこと。” “施設で火事があった後、一人の少女を養子として引き取ることになった。” “少女の名前はきょうこと言って、火事の後、 すぐに双子の姉妹から臓器提供を受けていた。” “そして、きょうこの中でさくやの意識が目覚め――――。” “さくやのお母さんはきょうこの願いを聞いて、 少女の……娘の名前をさくやに改名した、と。” |
考察四:
疑問に対する回答が頂けたようなので、再度考察をしておく。
それと考察二で提示した疑問二に関しては、特に言及はされていなかった。
(すみか達、ラボ強硬派の処理について)
以下、枠内は「ホワイトメモリアル」からの抜粋である。
“あすかは幼少期の炎の夜、さくやを助けられなかった。 小さいあすかはこの時、事故自体の恐怖とさくやを失った事実に深く混乱し、 さくやの生死に関しては、曖昧になったままだったようだ。 その記憶はなおによって消されるが、中学時、一時的に記憶が戻った時も、 さくやの生死自体は曖昧なまま。「守れなかった」という事実だけが 記憶に残っている、との設定だそう。” p,49 「はみだしカルテ」より |
当時の“あすか”のことを見ていられなかったなおが記憶を封印したのは、
以下の理由によるものだった。
“「一度目は、お姉ちゃんが火事の夢に苦しんでたから、
記憶を消してあげた。お姉ちゃんのためだった」”
さくやの生死を確かめる事こそが、真に“あすか”の為になるのではないだろうか。
さくやの生死が不明なままとなっている“あすか”の記憶を消すというのは、
対症療法に過ぎず、根本的な解決にはなっていない。
好意的に解釈すれば、高知能であるはずのなおも含め、
結局のところはただの八歳児に過ぎなかったということだろう。
しかし、施設焼失事件の後、なおは自身を“あすか”と同じ家に
引き取られるように手配する程、高い知性を誇っていた筈だが。
この事は本編でなおの口から語られた上、更に下記の設定が与えられている。
“あすかの祖母には、大幸かれんという名前が設定されている。 彼女は元政治家であり、拝沢小児医療研究センターともつながっていた人物だ。 そういう経緯で、所長以外になおのことを知っている、数少ない人物の一人であった。 センター焼失時になおから協力を求められ、残党に追われないためのあすかの 死亡工作などは、この大幸かれんが行ったこと、とされている。” p,53 「はみだしカルテ」より |
さくやの生死の確認に関しても、元政治家の資金力や伝手を用いれば容易であっただろう。
上記において、なおがかれんに自発的に働きかけたのだから、
同様にして、何故さくやの生死を確認させなかったのかという疑問が残る。
“屋上での刺傷シーンを生み出したさくやの中にいる双子、きょうこ。 さくやルート以外では、きょうこがあすかに危害を加えることは、もうないのだろうか? これについては、あすかが他の女性と結ばれ、さくやに近付かない限り問題はないのだ、 とのこと。もともときょうこは、いつきの指示におおよそ従っており、さくやルート 以外ではその関係性が崩れないのだ。” p,63 「はみだしカルテ」より |
なおがそれを知っていたとは思えない。きょうこがプリントを見に来た時、
明らかになおときょうこが敵対していたのが、その理由である。
しかし好意的に解釈すると、この時以降、なおがきょうこと接触を図り、
きょうこの真意を知ったのだとすれば、矛盾は解消される。
とはいえ、描かれなかった部分は、
各自で納得がいくまで頭の中で勝手に補えばいいのかも知れない。
これ以上の考察は他の者に任せることとする。
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